教科学習

国語

教科の目標方針

これまでの授業は読解力・思考力の涵養が中心であり、それらの力を育てるための文章読解が授業の中で大きなウエイトを占めてきました。そして、文章読解のために知識があり、知識を記憶することが学習の第一歩であった。つまり、知識を学び、知識を使って読解し、読解することで思考する、そういう力を育てることを目的とするのが国語の授業でした。つまり、これまでの国語の授業では、「他者の考えを論理的に理解する」ということに重点が置かれていたのです。

これからの社会の中でも、「他者の考えを論理的に理解する」ことの重要性は変わりませんし、「読解力」や「知識」が大切であることに変化はありません。しかし、これからの社会の中では、それらとともに、「いかに自分の考えを人に伝えていくのか」という「表現力」が重視されるようになることでしょう。

他者と共生するために、「表現」する必要があり、「表現」するために「読解力」を伸ばす必要がある。そして、正確に「読解」するために知識を獲得する必要がある。なにより、すべての基礎として、さまざまな問題を自分の問題として取り組む「主体性」が求められる、と考えています。聖学院の国語教育では、これらの「表現力」「読解力」「知識」「主体性」の獲得を目標とし、論理的思考力のある人材の育成を行っています。

カリキュラムの特徴

中学1・2年では、既存の授業とともに、中学1年生ではロジカルシンキングの授業を、中学2年生ではクリティカルシンキングの授業を行い、多角的に物事を捉え、論理的に考える基礎的な力を涵養します。中学3年では、高校進学にそなえ、古文の授業を行います。さまざまな古典の文学に触れ、現代の言語とは異なる文章を読み込み、それまで知ることのなかった日本の文化を知る一つの契機とします。

高校の3年間では、より難度の高い文章を読解するとともに、小論文の執筆やスピーチを行い、論理的思考力の完成を目指します。

探究学習・PBL型授業例

◆ 中学3年生:国語2(古文分野)について
枕草子「春はあけぼの」を読み、清少納言になったつもりでエッセイを書く授業ではマンダラートを使用して、それぞれが考える、「春夏秋冬」の風物詩を考え、それらをエッセイとして文章化します。

〈右図のシートを用いた文章例〉
秋は食。芋、栗、南瓜、煮ても焼いても良し。菓子にするこそをかしけれ。梨、葡萄も美味し。秋刀魚、秋鮭の脂のりける、箸のすすむこと限りなし。冬は花。梅、椿の咲きたるは良し。寒風に耐ゆる姿こそ美しけれ。枯葉の舞ふもあはれなり。雪の降りたるもさらなり。


◆ 中学3年生:国語1(現代文分野)について

中学3年生という時期は、自己の世界から他者との世界へと開かれてゆく、いわば「Only one」である自己を知り、「for others」へと接続してゆく時期と考えています。そこでの目標は、「自分で問い、考え、言葉にし、他者に伝えること」と設定しています。本校では、中学3年生を一区切りとして、高校課程に向けて集大成となる卒業文集を編纂します。2020年度のテーマは、「これまで・これから―自分とは―」というものに設定し、これまでの自分を振り返り、これからの自分を仰ぎ、そしてその間のいまに立つ「自分とは」を考え、自由な形式で表現することを狙いとしました。

その準備として、国語1の授業において、「自分から見た自分」を考える「自己分析」、「他者から見た自分」を実体験する「他己分析」を行い、「自分とは」という問いを広げてゆくための探究に取組みました。「自己分析」においては、以下のような問いのワークシートを使用しました。
▶︎自己分析シート

続いて、「他己分析ワークシート」を使い「他者から見た自分の姿」を、実体験として知るためにランダムに選出された相手とペアになり、お互いがどういう人に見えるかを考えます。
▶︎他己分析シート

本ワークの真の狙いは、他者と触れ合うことの「難しさ」に気づくことです。「自己分析」で書いた内容と比較しながら他者から見えている今の自分の姿に直面していく中で〈他者と生きてゆく〉〈他者に伝え、他者を受け取ることの難しさ〉〈only oneであること、for othersの真の難しさ、重さ〉に気づくとともに「では、その難しさの中でこれからどうするのか?自分をどう他者に開き、他者とどう生きてゆこうとすればよいのか?」という問題に向き合います。

生徒が自己を問い、他者に伝えることの難しさを知ることにより、一人ひとりが「Only One for Others」を真に受け止め、各々その表現に悩みながらも言葉にして発芽させてゆくことが期待されます。